学び

ウェルビーイングなチームビルディング

組織での横断的なチームでの取り組み

組織の中で、プロジェクトごとにチームを組み、部署横断的に取り組みを進めていくこともありますよね。
はじめて会った人もいるような人の集まりだと、チームと言っても名ばかりで、最初はなかなか打ち解けることができず、ときに気まずい沈黙の時間が流れることもあったりしませんか(笑)。

ロールセッションという手法

とくにチーム組成の初期に取り組むといい「ロールセッション」という手法があることを最近知りました。
ロールセッションとは、チームメンバーのプロジェクトに対する期待値を合わせ、役割を明確にするための打合せです。

やり方の概略

それぞれに簡単な自己紹介をしたあと、以下の項目について各自で書き出します。
1)このプロジェクトへの意気込み
2)このプロジェクトに関して自分にできること
3)同じく自分にはできないこと
4)同じく他のメンバーに期待すること これらをそれぞれに書き出し、発表したあと、 自分自身の発表をふりかえり、 みんなの発表を聴き、 他のメンバーからの自分への期待も踏まえて、 自分自身がこのプロジェクトでどんな役割を担うかを各自で決め、それを書き出します。

ロールセッションの効果

この一連のワークにより、プロジェクトに対するそれぞれの期待値が自然と揃うのです。
このロールセッションは本来、メンバーの期待値を揃えるために行うものとされていますが、 私の経験上は、メンバーの主体性を引き出すのにも役立つと思っています。 このプロジェクトに対する自分の意気込みを伝えることで、このプロジェクトに自分がどう関わっていくかが自然と自覚されます。
また、自分にできることを伝えることで、必要なときはそれをやる自覚も自然と芽生えます。
さらに、 自分にできないことを伝えることで、自分自身をより知ってもらうことができますし、逆に、他のメンバーのことをより知るきっかけにもなります。
加えて、 他のメンバーからの期待。 そんなことを期待されているんだ、という気づきとともに、では、それを引き受けるか? という選択を自分ですることになります。 引き受けるか否か。まさに、それぞれが主体的に選択するのです。

期待したことを引き受けてもらえなくても、言いっこなし。
自分にはできないと誰かが言ったことに対しても、言いっこなし。
誰かができないことは、それをできる誰かがカバーすればよいのです。

こうすれば、メンバーの強みを活かせるチームにもなりそうですね。
なにより、 こうしてメンバー相互に弱みを認め合いながら協力していかれることが、チームとしての強い絆を生むのだと感じます。
絆 ・・・ オキシトシン的幸福ですね。

参照文献: - Developers IO「プロジェクトアサイン者との期待値を揃えてみよう!ロールセッションについて徹底解説してみた」(佐藤剛史) https://dev.classmethod.jp/articles/rolesession/ - Project Sprint「ロールセッション」 https://www.projectsprint.org/ja/v3.2/practices/role_session - 樺沢紫苑『精神科医が見つけた3つの幸福』2021年、飛鳥新社

(編集委員YI)

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